Vol.33(03.01)

  
胆 石 症
「どんな病気なのか?」
  胆石症とは、胆嚢や胆管に石ができて、腹痛や黄疸などの症状を引き起こす病気
です。体の中で肝臓から胆汁という一種の消化液が作られ、これが腸管内に至るま
での通り道を胆管といい、途中で一時的に胆汁が蓄えられる場所を胆嚢といいます。

この胆汁の成分が元となって、胆嚢にできた石を胆嚢結石、胆管にできた石を胆管
結石といいます。また、成分によって、コレステロール結石と色素結石(ビリルビ
ン結石)とに大きく分けられます。
「どうしてなるのか?」
  コレステロール結石は胆汁中のコレステロールが結晶化したもので、肥満や過食
・ストレスなどの生活習慣が影響しています。色素結石は胆汁に含まれるビリルビ
ンに細菌などが作用して作られると言われています。
「どういう症状があるのか?」
  一般的に出来上がった石が悪さをしなければ、多くの場合は無症状のまま経過し
、たまに健康診断で肝機能異常を言われたり、超音波検査で結石を指摘されたりし
ます。しかし、石が通り道の狭い部分に詰まってしまうと、痛みがみぞおちの部分
や背中等に出てきます。そして胆汁の流れが滞ってくると、黄疸という体が黄ばん
で見える現象が見られます。また、胆汁の中で細菌が繁殖してくると胆嚢炎や胆管
炎を併発し、熱が出てきます。
「どうやって調べるのか?」
  胆石症を疑わせる症状があった場合、おなかの超音波検査やCT検査などで結石の
存在を確認します。そして、体への影響が現れているかどうか、採血してチェック
します。また、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、あるいは腹部の悪性腫瘍も似たような症
状を出すことがありますので、胃カメラなども合わせて行います。さらに、治療も
兼ねて胆道造影(胆汁の通り道に細い管を入れて、造影剤を流しながらレントゲン
写真を撮る検査)を行うことがあります。
「どういう風に直すのか?」
  一般的にはまず禁食とし、腹痛や発熱に対して痛み止めや解熱剤を用います。ま
た多くの場合、細菌感染を伴っているから抗生剤を投与します。しかし根本的な治
療としては石そのものを取り除かなければいけません。

薬で溶かす : 胆汁の性質や分泌量を変化させる薬剤が開発され、石を溶かす狙い
              で投与することがあるが、結石が大きい場合・数が多い場合にはあ
              まり効果が期待できません。
衝撃波で砕く : 体の外から超音波を石に集中するように当て、これを粉砕する方
              法です。主に胆管結石に対して有効で、こなごなに砕けた石は便と
              ともに排出されます。しかし、結石のできる原因は取り除かれてい
              ませんので、再び石ができることがあります。
内視鏡で取り出す : 内視鏡を十二指腸まで挿入して、胆管の出口であるファータ
              ー乳頭を開いて石を取り出します。胆管結石に対して行われる方法
              で、胆道の検査も兼ねています。
手術で切除する : 石を胆嚢ごと切除したり、胆管を切り開いて石を取り除きます
              。最近は、胆嚢結石に対して、おなかに1−2センチの穴を数箇所
              あけ、内視鏡を入れて手術する「内視鏡的胆嚢摘出術」が主流にな
              っています。この術式なら、患者の負担は軽く、数日で退院できま
              す。
                                                          さがみ野中央病院
                                     外科 劉 宏世